真空包装とガス置換包装の効果

2020年3月16日 0 投稿者: admin

一般的に好気性の菌やカビ類は、酸素のない雰囲気では増殖が抑制されます。真空包装は、この作用を利用して微生物制御を行いますが、逆に嫌気性の微生物に対しては発育に好適な条件となってしまいます。また、包装材料の種類によっては、真空包装された後に包装内への酸素の侵入を発生させてしまいます。そのため、真空包装後に低温流通を行ったり、加熱殺菌を行ったりすることが必要となります。チルドビーフでは、包装段階で生菌数を少なくする管理が行われ、包装後は低温流通します。チーズなども低温流通が基本です。一方、サラミソーセージは水分活性が低いため細菌の生育は抑制されます。ハム、ソーセージなどの食肉加工品のシェルフライフは、細菌による腐敗、変敗によって決定されます。一般的に、炭酸ガスは細菌の増殖抑制する静菌作用があり、食肉加工品などのガス置換包装には炭酸ガスが利用されます。実際のガス置換包装では、炭酸ガスだけでは包装外へ透過や食品中への溶解で減圧してしまうため、窒素ガスとの混合気体が使用されています。洋菓子類(特にカステラ、バウムクーヘン、パンなどの多孔質ベーカリー製品)には、炭酸ガスを用いたガス置換包装によるカビの発生防止効果が顕著に認められており、広く利用されています。ほかにチーズ製品についても同様の効果があり、炭酸ガスと窒素ガスの混合気体によるガス置換包装が利用されています。食品の酸化による劣化は極めて顕著で、特に脂肪分を多く含む食品の酸化劣化、いわゆる油やけは食品の風味を著しく損ねるものため、油菓子のような含油脂食品はガス置換包装が特に適しています。ガス置換包装の酸化防止効果は、ポテトチップ、削り節、豆菓子、バターピーナッツなどのナッツ類でも認められ、窒素ガスによるガス置換包装が応用されています。食品はその中に含まれる糖やアミノ酸の反応による褐変、あるいは色素の酸化による退色などにより、商品価値を低下させてしまう場合があります。この変色や退色もガス置換包装により、かなり防止されます。効果が認められている例としては、削り節、乾燥エピ、緑茶などの包装例があります。ポテトチップスや削り節のような、外力が加わると損傷しやすいものは、品質保全面では真空包装でも目的達成が可能ですが、商品性は損なわれかねません。同じように、乾燥海苔、煎茶、多孔質の洋菓子などについても同様のことが言えるため、このような食品については、ガス置換包装が適しています。