収縮包装とは

2019年10月22日 0 投稿者: admin

収縮包装は、ポリ塩化ピニル(PVC)系収縮フィルムにより、昭和30年代後半より始まめられました。その後、ポリエチレン(PE)系、ポリプロピレン(PP)系、ポリスチレン(PS)系、ポリエステル系などの収縮フィルムが開発されています。加熱により収縮するフィルムは、複雑な形状の製品の包装や複数の製品の集合包装あるいは封紙包装が可能という特徴を生かし、乳酸飲料容器、缶、びんなどの集合包装、熱収縮ラベル・キャップシールなどに広く使用されるに至っています。一般的に、プラスチック固体に外力を加えると変形が起こります。微少変形の弾性変形内での応力は、分子間相対位置、結合配位角、結合角、原子間結合距離などの変化に基づくポテンシャルエネルギーの増加によるもので、外力が取り除かれると元の状態に戻ります。ところが、その変形の度合いが大きくなると、分子鎖は変形し、いわゆる「塑性変形」が発生します。このときの固体の構造変化は固体が非晶性高分子であるか結晶性高分子かによって、また溶融結晶化試料であるか延伸配向試料であるかなどによっても異なります。結晶性高分子の溶融結晶化試料は、一般に球晶の集合体で平均的には無配向です。また、球晶は中心の核から半径方向に成長した板状晶であるラメラで構成されています。このような構造をもつ溶融結晶化試料を延伸すると初期の変形過程では、縦方向のラメラが伸ばされて球晶が楕円状となります。さらに変形が進み降伏点を過ぎると、ラメラ内の折りたたまれた分子の一部は引き伸ばされてネッキング(くびれ)を起こし、繊維構造へと変化します。しかし、繊維構造となっても通常の延伸では完全な伸びきり結晶にはならず、折りたたまれた構造がかなり残っているものと考えられています。非晶性高分子の溶融固化試料の延伸変形についても、微少変形のときは弾性変形ですが、やはり変形が大きくなると結晶性高分子と同様に分子鎖は変形し、降伏が起こります。このとき非晶性高分子でもネッキング現象が一般に見られます。非晶性高分子固体は、溶融状態のランダムコイルが凍結した構造であるという考え方もあります。しかし、ネッキング現象が見られることなどから、規則性は非常に悪いものの分子鎖が折りたたまれた構造をもっていると考えた方が妥当と考えられています。結晶化速度の遅いPETの急冷試料は非晶固体となりますが、その中で分子鎖は折りたたまれていると考えられています。非晶のPET急冷試料を熱処理すると、折りたたみ結晶に転移することからも明らかと思われます。